01 / ORIGIN
なぜ、
この会社をつくったのか。
三豊には、価値がないのではありません。良い作物も、海も、島も、使われなくなった学校も、働く人の技術もある。ただ、それぞれが点のまま存在していました。
良いものがあっても売る仕組みがない。人が来ても地域の消費へつながらない。工場を持っても物流がなければ届けられない。仕事が増えても、人だけを増やし続けることはできない。
一つの課題を解こうとすると、必ず次の課題が見えてくる。その度に必要な機能をつくった結果、EC、製造、物流、観光、ふるさと納税、AIへと事業が広がっていきました。
「事業をつくるのではなく、地方社会が動く仕組みをつくっている。」
02 / 2015 — THE BEGINNING
ECから始めた。
でも、ECで終わる気はなかった。
最初の武器はインターネット。地方の商品を全国へ届けるところから始まりました。
価値はある。
市場とつながっていない。
地方の商品や資源は、品質だけで負けているわけではない。企画、見せ方、販売、物流、データがつながっていないことで、価値が市場まで届いていない。
最初に必要だったのは「売る力」だった。売れると、
次の課題が見えてくる。
商品が必要になる。製造が必要になる。物流が必要になる。地域へ人を呼ぶ仕組みが必要になる。人が減るならAIと自動化が必要になる。
事業は、目的ではなく課題を解くための機能になった。03 / WHY MITOYO — 地の利
田舎だったことを、
不利とは見なかった。
丸亀出身の樋口が、創業の地として三豊を選んだ理由。その一つは「地方であること」そのものを地の利として見たことでした。
私は丸亀出身です。それでも、創業の場所として三豊を選びました。
当時の三豊には、ECやデジタルを軸にした新しい仕事がまだ多くありませんでした。都会のように新しい産業が密集しているわけでもない。普通に考えれば、それは「不利」に見えます。
でも、少人数から始める私たちにとっては逆でした。新しい仕事が少ないからこそ、「こういう仕事をやってみたい」という人にとって選択肢になれる。大人数を一気に集める必要もない。最初の数人、十数人を集める段階では、むしろ可能性がありました。
つまり、地方であること自体が問題なのではない。環境をどう読むかです。ないものを嘆くのではなく、ないからこそ最初に置ける産業がある。
新しい産業が少ない。
仕事の種類が少ない。若い人材が都市へ出ていく。地方には不利な条件が多い。
だから、新しい仕事を置ける。
競争が少ない。珍しい仕事になる。小さな組織なら、人が集まる理由そのものをつくれる。
でも、その条件の読み方は変えられる。
「田舎だからできない」ではなく、「田舎だから何ができるか」。創業時から現在まで続く、本気モードの考え方の一つです。
04 / PHILOSOPHICAL ROOT — YOSHIDA SHOIN
吉田松陰から、
「志」と「人」を考える。
歴史上の偉人として飾るのではなく、自分の生き方と経営に問いを投げる存在。樋口が大切にする人物の一人が、吉田松陰です。
私が松陰に惹かれるのは、「偉人だから」ではありません。志を立て、自分で学び、行動し、そして自分だけで終わらず、人を育てた。その姿勢に、会社をつくることと似たものを感じるからです。
経営者一人が何でもできても、その会社はその人を超えません。大事なのは、志を共有し、自分で考え、自分で動ける人を増やし、その人たちが次の仕組みをつくることです。
何を実現したいのか。
売上や事業の前に、どんな社会をつくるのかを決める。
現実から学ぶ。
本を読むだけでなく、現場へ入り、自分の目で課題を見る。
分かったなら、動く。
議論で終わらせず、商品・工場・システムとして実装する。
人を育て、任せる。
自分がいなくても志と仕事が続く組織へ変える。
事業を、仕組みへ。
仕組みを、人へ。
松陰をそのまま経営へ当てはめるのではなく、樋口自身が受け取った「志・実行・人材育成」という問いを、現代の地域企業として実践する。
05 / HEART — THE TOP OF THE OS
頭より先に、
心が方向を決める。
どこにあるかは分からない。けれど、人は心で決め、頭で考え、手足を動かす。だから本気モードOSの最上位には「心」を置きます。
理念より上に、
心がある。
理念は心を言葉にしたもの。ビジョンは、その心が見たい未来。戦略は、そこへ行くための頭の使い方です。
何を大切にするか。
どこへ向かうか。
どこへ資源を集中するか。
人をどう率い、責任を持つか。
今日の現場でどう動くか。
06 / THE ARCHITECTURE
会社をつくるのではなく、
地方社会OSをつくる。
個別の事業を大きくすることだけが目的ではありません。それぞれを地域に必要な機能として接続します。
EC
地方の商品を全国市場へ。
製造
地域で価値を生産する。
物流
売れたものを届ける。
観光
人流を地域消費へ。
ふるさと納税
寄附を産業へ戻す。
AI / SYSTEM
少人数でも回る基盤へ。
一つの仕組みへ。
事業は独立した収益事業であると同時に、地方社会OSを構成するモジュールでもある。点を線にし、線を面にする。
07 / MY DEFINITION OF THE FUTURE
未来とは、
「当たり前でない」を当たり前にすること。
今ある当たり前は、最初から当たり前だったわけではありません。誰かが不便に気づき、普通ではない発想を現実へ変えた結果、社会の標準になったものです。
私が面白いと思うのは、今では誰も疑わない「当たり前」も、最初は当たり前ではなかったということです。
たとえば、やかんが沸いたら音で知らせる。今なら普通の工夫です。でも最初から自然界にそういう仕組みがあったわけではない。誰かが「沸いたことを音で知らせれば便利だ」と考え、形にしたから、今では当たり前になっています。
つまり、当たり前とは「昔からそうだったもの」ではなく、誰かが当たり前ではない発想を現実に変え、社会に定着させた結果だと思っています。
今日の当たり前は、
昨日の「そんなことできる?」だった。
未来をつくるとは、珍しいことを言うことではありません。今は存在しない価値を、技術・事業・仕組みで現実へ近づけ、誰も意識しなくなるほど普通にすることです。
不便への小さな発想が、生活の標準になる。
人が毎回やるのが当然だった仕事を、仕組みに渡す。
今の常識では難しいことも、技術進歩で日常になる可能性がある。
だから私は、ホイポイカプセルのようなものも、「漫画だから無理」で終わらせたくありません。お風呂を自動で洗う仕組みも、身体や美容に関わる新しい技術も、現在の技術ではできない部分があっても、未来の技術や発想の組み合わせによって実現できる可能性がある。
大切なのは、「今できるか」だけで未来を判断しないことです。「できない」と言われるものの中に、次の当たり前が眠っているかもしれない。
未来とは、
まだ当たり前でない発想を、
次の当たり前に変えること。
現実を無視するのではなく、現実を深く理解し、その制約を一つずつ技術と事業で越えていく。
08 / OUTSIDE THE COMPANY
会社の外でも、
地域の実装側に立つ。
会社だけでは解けない課題がある。観光、AI、人材、行政、教育。社外の役割もFounderの思想を現場で試す場所です。
株式会社本気モード
Founder & CEO
実業・技術・人をつなぎ、地方社会OSを事業として実装。
企業を成長させると同時に、地域の機能を増やす。三豊市観光交流局
会長
観光を滞在・消費・地域事業・文化へ接続する。
観光を、地域経済の一部として考える。MAiZM
CAIO
AIを地域企業の業務改善・人材育成・実装へつなげる。
技術を、地域で使える力へ。自分の会社だけが大きくなっても、
地域が小さくなれば、意味がない。
会社を経営していると、売上や利益や効率を見ます。それは必要です。でも、その数字の先に何をつくりたいのかを忘れたら、会社はただの箱になる。
地方で暮らす人が、地方だからという理由で夢や仕事の選択肢を諦めなくていい社会をつくりたい。地域の中で価値が生まれ、売れ、仕事になり、所得になり、そのお金が次の挑戦へ戻る。そんな循環をつくりたい。
そのために、まだないものをつくります。前例がないなら試します。失敗したら直します。そして、自分一人ではなく、次の人がもっと先へ行ける仕組みにします。
株式会社本気モード Founder & CEO 樋口 憲一
09 / NEXT
Founderの次に、
思想と実装を見る。
人物の思想を読んだ後は、Purpose・実行方法・地方社会OSへ。
志を、事業へ。
未来を、現実へ。
地方にまだつながっていない価値がある。
ならば、つなぐ仕組みをつくればいい。
